印鑑を押すのをためらう理由

印鑑イメージ

結婚を決めたのは、実家の会社を継ぐことになったのがきっかけだった。彼が次男だという事は付き合い始めた時に知った。
そして、それは私の中で高得点であった。

いつも頭の中には、会社の事があったから。守りたいというだけだった。
自分の代で途絶えていいものかという気持ちだけ。

いずれ継ぐ。家族は皆期待と心配を持ち、天秤にかけた結果口には出さないでいた。
私は、彼の手腕をわかっているつもりだ。

付き合って6年。
仕事上の彼がそばで見える職場だった。公私共に彼のことなら理解できる自信があった。

そんな中、実家の父が倒れた。大したことはなかったが、この事件が私たちを結婚に導いた。
少ないが従業員もいるので早めに慣れて信頼を得る必要がある。プロポーズはないに等しかった。

しかし、状況が進む中、引っかかっていることがあった。
ずっとそばにいた。私には、彼がどれだけ今の会社に必要とされているか分かっていた。

私は彼と一緒に父の会社を守りたいという気持ちだけが強くなっている。私が退職し、彼の引継ぎが始まった。
混沌とする気持ちとは裏腹に環境は変わっていく。話し合わなければ、聞かなくちゃ、と思うのに言葉が出ない。

こわい。どうしたらいいかわからない。
彼の本音を聞くのも、知った自分がどんな行動にでてしまうのかも。こわくて、世間話や日常のたわごとばかり話していた。

二人で書き終えた婚姻届を前にしたとき、印鑑が私の背中を押した。印鑑をみつめながら、思う。このままではいけない。
このままでは判を押せない。

「今の会社とお父さんの会社、やりがいを感じて生きられるのはどっち?」

答えは何でもよかった。私は印鑑を握りしめたまま思っていた。 6年そばにいた。彼のそばにいられるのならば他に何もいらない。

家を守る事よりも生きるのが楽しいと思える人生を歩もう。 そして、節目にはきちんと言葉を交わして確かめ合おう。判を押すのはそれからだ。

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